「ギリシャ・ゾンビ」

原題は「EVIL TO KAKO」と言うギリシャ作品。推して知るべしのB級ホラー(Z級か?)なのですが、日本で紹介されるのが珍しいからって、制作国の名をそのまんま冠した芸のない邦題はいかがなものか。

洞窟の調査に赴いた作業員が、何か得体の知れないものに感染し人々を襲う。彼らに噛まれた者はゾンビと化して、また多くの人々を喰らい始める、と言うお話。だからストーリーなんてなし!とは言え、久々に正しきスプラッタ惨劇を見たと言う感触。

基本的には全て手作り。CGはほとんどの場合、実写と“古来の特撮”を繋げるためのインターフェイスに使われているのみ。メイキングを見ると分かるのですが(本編より面白い)、カール・ゼマンが開発したトリックアニメの手法を見ているようで、低予算をカバーするための涙ぐましい努力に哀れみを覚えます(時々技術的に失敗しているのはご愛嬌。本編で確認できます)。

お馬鹿に徹してはいるけども、その姿勢がクソマジメに追求されているので清々しい。あそこまで血みどろにはなりませんが、時に名作「BRAINDEAD」に迫る血しぶきのサービスにやんやの喝采。ジョージ・ロメロやダリオ・アルジェントに対するオマージュが、実に謙虚な姿勢で表現された作品と言えるでしょう。

最初の感染源がなんだったかなど全く回収されないし、壊滅して黒煙が上がっているのが見えるのに「それでもあそこに行けばまだ希望がある」と言ってなぜ軍の基地へ向かう?とか。途中で合流した女の子が“カンフー使い”だって言うディテールがどこで紹介されていたのか?などなど、いちいち突っ込んでいたらキリがありません。

地中海音楽とヴァンゲリスの故郷と言う土地柄。エキゾチックなテクノ音楽によって、チープな作品にアートでデカダンな彩りを与えてくれます。「ホラーにはセンスのある音楽を!」と思わずにはいられません。



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タグ : ギリシャ・ゾンビ

2008/11/05 17:40 | 映画/DVDCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  

ネズミー探検

とある用事があり、本日は舞浜へ。用件はさっさと済んだので、せっかく舞浜まで来たのだからと、イクスピアリ内にある映画館へ向かってみることに。

ちょうど良い時間でやっていたが、「センター・オブ・ジ・アース」。ジュール・ヴェルヌの古典SF「地底探検」を下敷きにした3D作品ですな。内容はともかく、“3D映画”に興味があったので試しに観てみることに。

対象年齢が明らかに子供向けのジュヴナイル。“飛び出す絵”を楽しむための仕掛け作りに特化した、さっくりとした一作と言う意外にはコメントなし。肝心の映像も、体感型3Dアトラクションなどを体験したことのある人にとっては、「まあ、こんなもんか」と言った程度。

もっともそこら辺は大人の感覚なので、私の周囲をとりかこんでいた子供たちの反応はなかなかのもの。例えば自分に子供がいたらとか、もしくは親戚の子供を連れて来て、その彼らが見せるリアクションに目を細めて見る。なんて楽しみも想像したり。

どっちにしろ、こんな子供だましではもう楽しめないのか。と思う自分が寂しいと言いましょうか。

と言いつつ、帰りに寄ったTSUTAYAでは、「ギリシャ・ゾンビ」のタイトルに惹かれて、どうしようもないB級ホラーを借りている始末。結局いくつになっても“子供だまし”で喜んでいる自分に愕然。



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タグ : センター・オブ・ジ・アース

2008/11/04 22:53 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

「サイレント・ヒル」

異常な行動を起こすようになった少女。その原因がサイレント・ヒルと言う街にあると確信した母は、娘を連れて街を訪れる。しかし少女はそこで姿を消してしまう。母は娘を探して街中を歩き回るのだが、そこには数々の怪物が蠢いているのだった。

コナミから発売されたホラーゲームの映画化。ホラー云々を抜きにして先ずもって映像が綺麗。芸術的とも言える丁寧な作りで、ゲームに対する制作側の愛情すら感じてしまう(笑)。

ホラーと言う枠にとらわれない面白さ。もちろんホラーとしても“きちんと怖い”作品だったと思います。「変な動きをする化け物」やオカルト的な要素を織り込みながらも、それらが単なるギミックに終わらず、おどろおどろしい世界の演出に貢献していたと。

技術は新しいけど、古き良きホラーの伝統に即した正統派。少し救われない感じが漂うもの悲しいラストも秀逸で、繰り返し見たくなるようなホラー作品でした。お見事。



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タグ : サイレント・ヒル

2008/08/05 21:00 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

「時をかける少女」


筒井康隆の原作を元にしたジュブナイルSFをアニメ映画化。

ご存知の通り過去には実写化もされ、私も見た記憶があります。特殊な能力を得た少女が、調子ぶっこいて他愛のないことでタイムリープ。そしてそのせいで他人を不幸に巻き込んでしまう。

当時も思ったことですが、お馬鹿な少女が引き起こす騒動に嫌悪感を覚えたものです。その印象はアニメ化された作品を見ても変わらず。「あームカムカする、このガキ!」なんて思っちゃったりするわけですが、そう感じた時点で作者及び監督の思うツボ。

ラストのしんみりした展開へ移行した段階で、思わずホロリ。分かっちゃいるけど、乗せられてやりますよって(笑)。半分以上は苦手なんですが、やっぱりね、こう言った青春の甘酸っぱい思い出には憧れちゃうものがあります。

嫌いではないですけど、昭和的な無邪気さが、今となってはちとムカツクか(笑)。いや、もうオッサンの私がそう言っちゃいけないな。やっぱ若い子がみるべき作品なのでしょう。そう、きっとそうだ!

皆さん、恋をしましょう!(一体どういう結論だ?)



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タグ : 時をかける少女

2008/07/30 21:57 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

「ザ・ライド ハワイアン・ビーチ・ストーリー」

サーフィンのワールドチャンピオンであるディヴィッドは、ハワイ大会での競技中、波にのまれ溺れてしまう。彼を助け上げる人影。しかしディヴィッドが目覚めたのは約100年前ワイキキだった。そこで彼は伝説のサーファー、デューク・カハナモクと出会う。


高級スポーツカーを乗り回し、夜毎に女をはべらす人気サーファー。そんなディヴィッドが過去へタイムスリップし、そこで暮らす素朴な人たちと、まだ文明に侵食されていない大自然に触れ、人間らしい心を取り戻して行く。サーフィンを通した青春ドラマに、タイムトラベルSFが絡んだちょっと不思議なストーリー。

これらの説明で内容は予想できるかと思いますが、話の展開が思っているより緩やかであるのが特徴。ハワイの自然に満ちた映像と音楽に彩られ、実にゆっくりと時間が流れて行きます。

カハナモクは、ディヴィッドのことをハワイ流に「カウイカ」と呼び、また彼の為に新調したサーフボードには、「お前は色が白いから“GHOST”だ」と言ってネームを入れる。全編に渡るこの穏やかさが心地よい。エコロジーと言ったことより、もっとニュートラルな自然さがここにはあるでしょうか。

しかしこのような豊かな時間は唐突に終わりを告げ、再び事故に遭ったディヴィッドは、その衝撃で現代に逆戻り。まるで一夜の夢のようでもあり、正に過去へと置き去りにして来てしまった人間らしい生活の全てが、突如、喪失感となって切なく胸に迫ってくる。

タイムスリップをする以外、劇的な展開など一切ないのですが、SFともファンタジーともヒューマンドラマとも言えない独特な空気感が魅力の1作でした。

きっと本当の主人公は人間ではなく、「ハワイ」そのものだったのかも知れませんね。不覚にも、ほろっと来てしまった作品です。




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2008/07/15 01:12 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

サウンド・オブ・サンダー




2055年、夢の技術が開発された。タイム・サファリ社では、タイムマシンで時をさかのぼり、6500万年前の地球で恐竜を狩るツアーを目玉にしていた。しかしある日、事故が起こり、過去にほんの少しの変化を与えてしまった。その余波が「時間の波」となって現代に押し寄せ、人類の存亡に大きな危機が迫る。


SF作家レイ・ブラッドベリの原作を元に映像化したSFスペクタクル。時間旅行において「過去に一切変化を与えてはいけない」と言う大原則が破られてしまい、進化の過程に甚大な被害を及ぼすと言う、正攻法のタイムトラベル作品です。

そもそも「恐竜狩りツアー」の時点で突っ込みが入るかと思われ・・・。恐竜を殺したら過去が変わるじゃないかってね。しかしこれについては、「どの道、泥沼にはまって死ぬ予定だった恐竜」を仕留めると言った理屈で、一応のエクスキューズが入っています。

コンピュータによって緻密に計算されたタイミングで、同じ時、同じ場所で死ぬように仕留める手はずになっているわけです。この辺りをあまり気にしすぎると、SFとしてのフィクションを楽しめなくなるので、あまり厳密に検証してはいけないところ。

叙情派で幻想的な作風で知られるブラッドベリが原作ですが、映画の方は壮大なパニックアクションに仕上がっています。しかしこれはこれで、充分なスリルを楽しませてもらいました。

近未来の都市の描写は思いっきりCGなんですが、あえてアナログな質感を残すことによって(予算不足で止む無くと言ったところが幸いして?)、いかにもブラッドベリが描きそうな、レトロフューチャーな都市が現出していました。ロジャー・ディーンを思わせる作画タッチと表現できるかも。

あと一歩でA級になれたのに!と言った部分が妙に哀愁漂わせますが(笑)、私は結構気に入りました。何度か繰り返し見るにも耐えるかと。実にSFらしいSFでした。


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2008/06/13 17:13 | 映画/DVDCOMMENT(1)TRACKBACK(1)  

インプリズン-修道女の悪夢-


イタリアの修道院へ、アメリカ人のサラがやって来た。彼女はそこで儀式の名の下に拷問を受けることとなる。そして感覚器官を失うごとに、ある幻視をはっきりと知覚できるようになって行く。実はそれが、過去に起きた事件に由来するものであった。


監督の名がイヴァン・ズッコンと言うので借りてしまった事は否定しません。イタリア発のショッキングスリラー。

イタリアと言うことで期待するのは、やはり血みどろゴアな残酷描写。確かに伝統に即したテイストは臭わすものの、結論としてはお慰み程度。しかし本作の目指すところは別にあると思われ、そこだけに焦点を当てて論じるのは酷でしょうか。

修道院、儀式、聖書と来れば、オカルトに傾倒した作品であることが伺えます。悪くはないのですが、イマイチ怖くない。後半30分は結構いい味が出て来ましたが、前半は早送りで見ちゃいました。

低予算の映画らしく、舞台は修道院の敷地内に留まっています。主人公のサラに至っては、本当に修道院の中だけ。ある意味、密室ホラー的な要素があり、昨今のその手の作品を手本にしている部分も見受けられるか。

全体的に漂うゴシックな雰囲気は捨てがたかったのですが、個人的には消化不良気味。もっともっと怖いホラーを見たいなぁと思いつつも、最近のホラーはどれを見ても怖いと思わない自分がいます。

もっとも本作に関してはホラーと言うよりも、サスペンスに近い作風であり、単に私のセレクションがミスマッチなだけだったのかも知れませんけどね。


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2008/06/08 16:34 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

「デッド・オア・ウェイヴ」

地震学者ハリトノフ教授が大地震に巻き込まれ死亡した。かつて研究を共にした物理学者セルゲイは恩師の死に疑問を抱く。ハリトノフ教授を中心とした研究チームは、人工的に地震を発生させる装置を開発していた。ある組織がこの装置を使ってモスクワ・サミットを妨害する計画を立てており、教授はその陰謀に巻き込まれたのだった。かくしてセルゲイにも組織の魔手が伸びる。


ロシア発のディザスターパニック。と銘打たれているものの、実のところは様々な陰謀と思惑が交錯するサスペンス・アクション作です。

比較的丁寧なドラマ仕立て。CGはここぞと言う場面に集中させており、映像が渋めなこともあって、あまり低予算であることを感じさせませんでした。

後半、二転三転する陰謀と策略がドタバタとせわしないですが、全体として概ね満足できる出来だったと思います。あまり期待してなかったのも良かったのでしょうね。平日昼間のロードショー辺りで放映するにはうってつけの作品かも。

欧米の娯楽作品と比較してさほど遜色はないと思われます。結構楽しませてもらったので、個人的には良い部類の作品にランクされますが、いかんせんパッケージの売り出し方が作品の良いところを丸潰ししているようで頂けない。

「ディザスターパニック超大作!」みたいなイメージよりは、「人工地震発生装置を巡るテロリストの陰謀サスペンス」とした方がより正確だし、誤解を招かなかったでしょう。

B級だからと言って視聴者をだましてはいけない。特に私のテリトリーであるロシア物だったので、この場を借りて配給会社様にはお願いしておきたいところです。


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2008/05/06 22:39 | 映画/DVDCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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