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「宇宙よりも遠い場所」第13話 最終回

きっとまた旅に出る

夏の終わりの・・・


女子高生観測隊。通称、夏隊の帰還が迫る。これを見送る越冬隊。想いはそれぞれ。道は別々。だけどただひとつだけ分かったことがある!

前回で一応全ての回収が済んだわけで、最終回はそのエピローグ。たっぷり1話を使って語られたのはなんだったのでしょうか。

母当てに送ったメールがことごとく開かれなかったことを見た報瀬は、そこで母の死を本当の意味で実感したと言えます。母が所有していたパソコン、それこそが母の死を司るアイテムであったわけです。

ではこの旅の目的はそのパソコンを見つけることだったのでしょうか。いや決してそれだけではなかったと思います。

南極に来たからと言って、報瀬は母を見つけることが出来るとは思っていなかったはず。むしろその死を受け入れることが出来ない気持ちをなんとかしようと行動した結果、気がついたら南極へ来ていた・・・という方が正しいように思えます。

言ってみれば辛い出来事を乗り越えるために前へ進むことを選んだのが報瀬であり、文字どお物理的に前へ進んだ結果得られたものがある。そのことの方が大事であったと今では思える。

そう。知らせが南極で得たもとは、何物にも代えがたい友情であったと言えます。何もない南極。そこでは逃げも隠れも出来ず、全てをさらけ出すことを強いられる。しかしその中で仲間の存在が何より勇気づけられるということを知った。

何もない場所だからこそ、たったひとつの大事なものを見つけることが出来た。そしてそれはこの世の全てであった・・・と言ったら大げさかも知れませんが()

それは報瀬以外のメンバーもみな同じだったと思います。何かを成し遂げたいと願ったキマリ然り、過去のしがらみから逃げ出したいを思った日向然り、そして辛い現実が嫌になった結月。そんな彼女らが行き付いた先が南極であったというだけのお話。

そこには全てをリセットしたいという気持ちがあったかも知れない。現状を打破するために極端な行動が必要であったとするならば、南極へ行く事は実にうってつけだったと言えましょう。

だけど来てみれば案外こんなところ。思っていたよりも驚きはなかった。でもそれが旅というもの。自分にとって異国で想像もつかないところだったとしても、その場所では常にそれがただの日常に過ぎないのです。

星空が綺麗。吹雪が過酷。そのどちらも、いつもの南極であるということ。

自分には暮らしがあって家族がいて友達がいて。時には別れがあって。それでも人生は続いて行く。そんな当たり前が自分なのだと気づかせてくれた。それが宇宙よりも遠い場所への旅で得た収穫だったのかも知れません。

最後、報瀬の母が遺したパソコンに残っていた未送信のメール。それを発見した藤堂隊長は報瀬へ送信してあげました。そこに添付されていたのはオーロラの写真。

「知ってる!」

帰りの観測船の甲板で本物のオーロラを見ていた報瀬はその美しさを既に知っていたのでした。母がかつて見た景色。その当たり前は、今では報瀬の当たり前になっている。

またこの4人で旅に出る。だってそれは、彼女らにとっては当たり前だから。

だけど同じ日常なんて二度とない。だから4人でそれを探しに行くのです!

<総評>

感無量でございました!ここまで来てもはや何をか語ろうか?いやもはや語ることなどない(疑問反語・・・というほどに感動しておりますがw

女子高生が南極へ行くということは突拍子もないことだけれど、それだけに大きなチャンスでもあったと言えます。あり得ないけどありそうで、けど現実的あるいは倫理や安全面から言ったらなしでしょ!?というスレスレの線でありそうな話を展開して見せたのがこの物語であったと言えましょう。

恐らく我々視聴者はそこに期待するものを感じていたのではないでしょうか。果たして女子高生が南極行って、けっきょくなんきょくどうなんねん!?っていう(誰が上手いこと言えと?@自分で言うなw

南極へ行くことが重要なのではなく、そこから何を得るか?どうするのかということが大切であること。そこに焦点が集まっていたことは言うまでもないわけで。

ただしそこに明確な答えがあるわけではなく、そこに至る過程で得たことに意味があると言えます。人生とはある地点ごとに暫定的に結論を出して行くものだと思うのです。

友達とケンカした。それはこう言う理由だった、だからしょうがないとか。試合に負けた。努力が足りないからだと自分に言い聞かせたとか。親と死別した。そのときこうやって気持ちの整理を付けた。あるいは未だについていない・・・などなど。

その時々で折り合いを付けて行くのが人生だとするなら、ある地点で得た解は必ずしも「真」でなくとも、その時期を乗り越えるために必要な「悪くない答え」ではあったかも知れない。

そんなことでいいんじゃないかな?とこの歳になって思えるようになって来ました。

きっと藤堂隊長もそんな気持ちだったのではないでしょうか。報瀬の母、貴子を救出できなかったこと。それを最も悔いているのは彼女自身だと思うのです。しかしあそこで隊員に無理をしいて犠牲を払うよりも、あのときはあれが最善の策だったと・・・思えるようになるまでは当然時間が掛かったでしょうが。

今ではその娘である報瀬が母の面影を継いでこうして自分に自分に付き合ってくれている。それが何より藤堂隊長にとっての救いとなっており、また嬉しい気持ちなんじゃないでしょうか!

大切なものを失うことの辛さ。それはある意味で全てを失う気持ちに等しいでしょう。そして南極は何にもないところであることを考えると、実質的なシチュエーションとしては同じなんじゃないかと。もちろん心情は別としてね!

人生のリセットを物理的に実現する場所。それが南極であったというわけで。

現代の教育を見ていると(特に日本の?)自分と向き合うことを回避する方向に推進させられている気がします。現実を見ることが辛いから、何かあったときは他人や世間に転嫁する。まあいわゆる「ゆとり」ってヤツですけどね!

だけど南極ではそれが許されない。怠惰は全て自分に返ってくるわけですから。

何もない!そう思ったとき、隣に信頼できる友達がいたらそれは全てだと思うのです。もしそれがのっぴきならないヤツだったとしたら、やっぱり「コイツあてになんない。ああ、オレもうダメ」となるわけですが()

よくわかんないけど、そんな気がする。

と言ったところで個人的な戯言はおしまいにして、ついでに感想も締めくくりたいところですがw

作画というか背景の細かいロケーションなど、細かいディテールがほんとに素晴らしかった。技術的な面から言って申し分のない出来栄えでした。このストーリーを心の底から楽しめたのは、こうした繊細な映像表現あってのことだと本当に実感します。素晴らしい仕事に感謝!

そして女子高生4人を演じた声優陣。だいたい世代が一緒で、昔からよく名前を拝見する方々でしかもしょっちゅう共演なさっている人気者ばかりでしたので、その掛け合いのコンビネーションがばっちりでした()正に以心伝心とはこのことか!安心の演技であると共に、容赦のない本気のぶつかり合いには本当に心を揺さぶられました。ここに盛大な拍手を!

ストーリーや設定はかなりぶっ飛んでいた物語だったと思います。しかしここには芯に強さがあり、そしてそれを支えるやさしさがありました。そこから受け取ったものは、人というのは寄り添って生きるものであるというメッセージであった気がします。

ラブレターフロムカナダならぬ、メールフロム南極。

宇宙よりも遠い場所からとっても素敵なメッセージを頂いた気分ですw

それでは最後に「トムソーヤの冒険」で有名なマーク・トウェインの名言を捧げてお開きといたしましょう。

「正しい友人というものは、あなたが間違っているときに味方してくれる者のこと。」

さあ!新たな旅に出掛けようか!

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タグ : 宇宙よりも遠い場所

2018/03/28 23:03 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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