「91Days」第12話 最終回

【汚れた空をかいくぐり】
復讐の後に残ったものとは

ヴィンセントを殺したアヴィリオはネロに捕えられていた。厳しい訊問を受けるアヴィリオだが、何も語らず。

そうこうする内にヴァネッティとガラシアの間で戦争が勃発する。

これでファミリーは終わった。そう悟ったネロはアヴィリオを連れて町を出る。

アヴィリオの提案で海へ向かったふたり。そこでアヴィリオが語り出したこととは。

……。

アヴィリオの復讐を完遂するためにはネロを殺さなければならなかったはずなのです。だけどなぜそうしなかったのか。

父と大切な仲間をアヴィリオに殺されたネロが詰め寄ったとき、アヴィリオの口から意外な言葉が発せられたのです。

「だったらなぜあのときオレを殺さなかった!」と。

ファミリーは崩壊。全てを失ったネロですが、あのときアヴィリオもまた全てを失っていたのですね。

失って殺されずに残って、そしていつか復讐を果たそうという怨念だけで生きて来た。それは死ぬより辛い地獄であったと言えます。

アヴィリオはそれと同じことをネロにも味あわせようとした。

ネロを殺すチャンスはいくらでもあった。なのにそうしなかったのは、自分と同じ苦しみを与えることで初めて、自分の復讐が完遂すると思ったからだったのでしょう。

ある意味でアヴィリオは、自らに見舞った悲劇の再現をしようと考えていたのかも知れません。

しかし最後の最後にアヴィリオはこう言いました。

「お前を殺したくなかったからだ」

当初はあえて「殺さない」という気持ちだったのが、いつしか「殺したくない」とする心境の変化がここにあったのでしょうか。それとも最初から、あるいは早い段階でそう思ったのか。

それはアヴィリオ本人にしか分からない。

2人で歩く浜辺。初めて訪れた海は曇り空でよどんでいて、さしたる感動などなかった。これは2人の心境を示していたと思います。

そこにあったのは、どこまで行っても暗い水面が広がるだけの海原。ただ途方もないと感じるだけ。

そこでアヴィリオを先に行かせたネロは、背後から銃を構える。

鳴り響く銃声。

波打ち際に残されたのは、ふたりがあるいた足跡だけでありました。


<総評>
果たして、ネロはアヴィリオを撃ったのでしょうかね?

最後、波打ち際の足跡は2つとも途中で消えていました。それが何を示していたのか。

帰りの車に乗っていたのはネロひとり。ということは!

ですが、ネロが最後に見せた笑顔。あれは人を殺した人間の顔ではなかった気がします。それが例え、憎い仇であったとしても。

あれはアヴィリオの言葉を受けたネロが、自分にアヴィリオが殺せるか試した一発だったような、そんな気がします。

……。

と言ったわけお送りして来ました「91days」!

ここまで来たらもう野暮は言いますまい。途中の感想でこの作品がどれだけ素晴らしいかを語って来ました。

脚本よし、時代背景の考証もリアル。渋い登場人物たちが織り成すハードボイルドな活劇の数々。そこで復讐に燃える男の執念が渦巻き、そしていつしか跡形もなく消え去ってしまうだけの、そんな物語。

それから音楽の素晴らしさも忘れてはならない。OPには凜としてとき時雨という意外なキャスティング。しかし激情的なバラードが見事にハマっていた。

そしてED!ELISAが歌うのは歌詞のないスキャットだけのメロディ。これが実にセンス良かった!まるで激しい男たちの激情を鎮めるかのように、そして復讐に燃えるアヴィリオの心を癒すかのように、その歌声がやさしく響いていたのでした。

禁酒法時代をテーマにした非常に珍しい設定を持った傑作であったと思います。演出にまで至る作りがとにかくセンスに溢れておりました。

もう最高に酒の旨くなる作品でした。特にウィスキーが!

今夜は、男たちの辿った悲しき軌跡に想いを馳せながら、一杯また一杯とグラスを空けたいと思います。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : 91Days

2016/10/01 20:08 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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