「モブサイコ100」第12話 最終回

【モブと霊幻~巨大ツチノコ現るの巻~】
憎まれっ子世にはばかる!?

弟・律をさらわれたモブこと茂夫は、秘密超能力結社「爪」、その第七支部へ乗り込む!

遂に支部長との対決を向かえるが、モブの中にはある葛藤が生まれていた。

「超能力を人に向けてはいけない」

師匠である霊幻新隆の言葉と、現実に広がる光景・・・「力のある自分がなんとかしなければ」・・・という思いの狭間で自らの指針を決めかねていたのだ。

「嫌なときは逃げたっていんだよ!」

ストレスが100%に達しようようとしたそのとき、師匠のこの言葉が意外な結末をもたらすことになった・・・!!!


<総評>
……。

す・・・ぅ

すげぇ!すげェ!!スゲぇぇぇぇええええー!!!

この最終決戦に於いてモブが下した決断とは、師匠に全部ぶん投げて逃げる・・・つまり自分の能力全てを師匠に託して自分は何もしないということ。要するに責任の全てを師匠に押し付けたというわけであります!

確かに、中学生であるモブが最終決戦を戦う重責を考えたら、彼に責任を負わせるのは酷と言うもの。例えそれが絶大なる「力」を持った少年であっても!

いやむしろだからこそモブは健全なる少年であったと言えるでしょう。この正念場を切り抜ける経験と精神的タフまで期待出来ないからであります。そう言うのは数々の修羅場と居たたまれない現実を乗り越えて来た「大人」だけが持ち得るものである。そうでない大人も多いけど!

霊幻新隆はかねてよりモブの師匠であります。「霊とかなんとか相談所」へ訪れたモブは、この通称「霊能者」である霊幻新隆の言葉にたぶらかされ・・・もとい。光明を見てその後も足しげく通ったという経緯があります。その結果、詐欺師の弟子として霊幻新隆に良いようにこき使われる・・・いや。半ばボランティアのごとく協力することになるわけですが。

しかしやはり、困ったときは師匠である霊幻新隆がモブにとって最も頼りになる「大人」であることに代わりがない。それが示された最終回ではなかったと思うのです!

どこまでもいい加減で信用ならない男である霊幻新隆。しかしそんなクズ人間だからこそ誰よりも現実を知っている。決して幻想など抱かない。人をだますには人の3倍はヒドイヤツでなければならないと言ったのは井上陽水だったっけか。

人は幻想に逃げたがる。嫌なことや悪いことが起こるとすぐに霊とか宇宙人のせいとか社会のせいにしたがる。でもそんなのはまやかしだ!悪いのは全て自分の責任なのだと、霊幻新隆は突きつけるのですね。そしてそれが出来るのは誰よりも現実的な思考を持っているからと言えましょう。

モブに対して「逃げてもいい」と言った霊幻新隆の言葉には、「どうせお前は子供なんだからそれでいいんだよ」という思いもあったかも知れない。そこには能力なんて持ってたって「人間は人間」であり、普通のヤツと何ら変わらない「一般人」なんだと言う大前提があったからに他なりません。

ある意味、達観した考え。ある意味では刹那的と言える普遍性、もしくは宇宙的視座に立った尺度、あるいは単にどこまで行っても「庶民の思考」しかないその貧相さにあるのかも知れない。

だけどそれが真実!と言える強さが霊幻新隆にはある気がしました。目に見えることしか信じない。目に見えれば例え超能力だろうとUMAだろうと信じる。逆に言えば、目に見えることしか信じない。

例え自分に超能力があったとしても決して思い上がったりはしない。自分は「社会」と共にあり、その中で価値を見出す必要があるからこそ、地に足を付けて「最も現実的なことを選ぶ」とするのが霊幻新隆の信念であるように感じました。

今回、モブから超能力を譲渡されても、予めそれを自覚し、あくまで「自分の力」で・・・それは主に詐欺の手順・・・もとい。「話術」で解決!という方向で(笑)相手を説き伏せようとする姿勢を見せたことが端的に物語っていた気がします。

この「超現実なクズ人間」が絶大な能力を持ったらどうなるのか?そこから見えたのは、超能力すら信じない、信じるのはあくまで「自分の力」であるという光景だったと思います!

この作品に於いて常に問われて来たテーマのひとつには、「幸せになるのに超能力は関係ない」ということがありました。「超能力」すらただの個性に過ぎない。走るのが早いとか、勉強が出来ると言ったことと同義であると言うこと。

ましてやモテないし、逆に超能力が足かせとなることもしばし。だとしたら超能力があるなしにに関わらず、結局人は皆平等でしかないのだとする、生物としての優劣を超越した「人としての普遍性」を示そうとする試みがここに見られたと言えるでしょうか。

と考えると、秘密結社である「爪」の連中は能力があることにアイデンティティを見出し、自らが「選ばれた者」であるとの錯覚に陥っていたと言えます。ある意味でそれは間違いではないでしょうが、「選ばれた」という時点で「普遍」ではない時点で「人としての普遍性」からは除外された言うなればもう「人でない何か」となって「社会性」からは外れた「世界とは関わりを持たない部外者」として自然災害か何かと変わらない人間とリンクしないし言葉も通じない異次元の存在として傍観されるべきものである・・・

確かにこの世に存在する以上は被害を被ることはあるだろうけど、「もうや災厄だからしょうがないよね!」というアレ。そう言った意味ではヒトラー率いる第三帝国も似たようなもの!・・・と言ってしまっては歴史に申し訳ないドイツ国民の感情を逆なでする論理であると思うので謹んでお詫び申し上げる所存でありますが・・・。

こういった理屈や屁理屈を全てひっくり返してしまうほどの説得力が霊幻新隆の言葉にあったことが何より爽快だったのです!ここに全てがあるとは言わない。だけど誰も言わなかったことをズバリと言ってのけた。そのことに多いなる価値があると思っております。

しかしこの作品で描かれたテーマはそれだけではありません。兄弟間のコンプレックス、持つ者と持たざる者とのコントラスト。言うまでなくそれは、絶対超能力者である兄・茂夫と、持たざる弟・律という構図で示されておりました。

そしてそれは茂夫や律の同世代の少年たちにも同様に存在するコンプレックスであったと言えるでしょう。生徒会長もまた出来る兄との比較されることによって、自らの力を示さねば!という義務感に駆られておりました。

しかしここには同時に霊幻新隆の少年版と言った趣きある人物もいたのです。鬼瓦天牙であります。彼は生徒会長が施行した「粛清」によって没落しますが、それは「そうなり得る雰囲気が予めあった」という達観と、「自分の至らなさ」があったとする自戒の両方から、彼はこれを受け止めて立ち直っているのですよね。

この鬼瓦の立ち直りは本当にすごいなと思いました。この精神的タフさと言うのは、モブが持つ超能力と同等だと言って良いのではないでしょうか。最終決戦の様子を見ても分かるように、モブには決して自分の状況を全て受け止められるほどタフではなかった。逆に鬼瓦だったら、あの場面で逃げずに全てを受け止める覚悟が出来たかも知れないということ。

モブも凄いけど、鬼瓦も凄いな!と思わせるものがあったのですよね。そして最後に自らの罪を認め、贖罪に生きることにした生徒会長の立ち直りも見上げたものでございました!

それから忘れてならない、モブの最初のライバル?である花沢輝気の存在。超能力では彼もかなり強かったのですが、モブの前では所詮モブ(笑)「爪」の出現に至っては、彼の超能力ですら「普通」になってしまい、その中途半端な力が本当の意味でも「モブ」と化していた感がなきにしもですが・・・(笑)

モブとのファーストコンタクトで勃発した戦闘、あれがあったからこそ、モブは自分が抱くべきスタンスを確立出来たと思います。ちょっと前の内容なのでどんな話だったからちょっと忘れかけてますが、花沢がモブに対して精神的に執拗に追い詰める場面、あれがモブの中の何かを目覚めさせたというか、何かを確認させたようなそんな感慨がありました。

この花沢との一戦は、本当の意味でのそしてこの作品で最も「青春していた」場面だったと思うのです。そうこの作品が凄いのは「とんでもなく凄い青春ドラマ」だと言う点にあると思います。

「絶大な超能力」が生んだのは、「絶望的なまでの葛藤」であり、その中から得られたのが「絶対なる普遍性である」みたない感じ?すいません。ちょっと晩酌した後に書いているので酒飲んで酔っているのか自分に酔っているのか分かりませんが、とにかくなんかそんなイメージで繰り広げられる壮大な青春ドラマであったという感覚でいっぱいです。

……。

もう疲れたのでここまでにしますが(笑)

「ワンパンマン」のときもそうでしたが、この作者スゲーな哲学者か!と思ったのと同時に、これをここまでエキセントリックかつ情緒的に描き切ったか!と感嘆させられた映像美。いや、映像的には醜悪ですらありました。しかしこの理不尽と言えるほどのストーリーをここまで真に迫って魅せることが出来るのか!と、ストーリーと演出のギアが噛み合いまくった演出に脱帽した次第であります。

エンディングの画像もほんと秀逸でしたし、OPテーマの99まで数えるあの歌詞!センスの塊と言ったセンスに参った降参!と言ったていでございましたw

どんなドラマよりも濃いドラマがあったと思います。そしてドラゴンボ○ルに勝てるのはモブしかいねーよな!と思わせる強さがあったと思います(笑)まあその対決は別のお話でw

そんなわけで瞬間最大的な意味では圧倒的に面白かったモブサイコの感想とさせて頂きたいと思います。

モブサイコ。モブ、最高!!!


@ムハンホウちぇっそ@
にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

タグ : モブサイコ100

2016/09/27 23:52 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP | 
FC2 Blog Ranking