「キズナイーバー」第12話 最終回

【世界中に、キズナシステムが広がって】
「痛い」って、キモチイー!
勝平曰く「かつての状況を再現したいんだ」という想い。それが園崎法子の暴走を誘発させたということになるでしょう。街全体をキズナシステムによって結ぶなど、酔狂では済まされない狂気の沙汰に達したものでありました。

キズナシステムによって「痛み」を共有することでしか人の気持ちを理解できない。園崎法子の行動理念は全てここに端を発していると言えます。

でも勝平はそうじゃないという。痛みなどなくたって気持ちは分かる。繋がってなくて「分からない」からこそ「分かりたい」と願う気持ち。それが本当の絆を生むということ。

これを考えてみるならば、SNSなどによって四六時中情報発信されている状況。それがある意味キズナシステムの原型として捉えるならば、確かにどんどん情報は流入してくるけれど、果たしてそれをどこまで消化し切れているかなどはなだはだ不確かだと言えましょう。

結局、その中から興味のある人のことしか本当にきちんと考えたりしないのではないでしょうか。キズナシステムによって強制的に共有させられたりでもない限り、ただの情報としての繋がりなどその程度だと想像してしまいます。

ではその「興味を持てる人」とはどんな人なのか。それこそが「友達」であり、それは仮にもしSNSがなくったって相手を気にかけ、音信がなかったら心配になってこちらから声をかけたりするはず。まあそれをおせっかいと取られてしまう場合もあるわけですが(笑)

でもそう言うことだと思うのですよね。家族なら遠く離れて暮らしていて、何年も連絡などなくてもお互い元気でやっていればいいかなと思えるものがある。でも友達はそうじゃない。ときどき連絡をして「忘れてないよ」と伝える必要があるものなのかも知れない。

いや。本当ならば友達と言うものもまた家族と同じでわざわざ連絡を取り合う必要などないもかも知れません。久しぶりあった友達とでも数年のブランクなどなく以前と変わらぬ付き合いが出来るもの。

だからわざわざ確認し合うのはその途上にある段階と言えます。繋がりがなくなることで関係が途切れる。園崎法子の不安はそこから来ているように思います。彼女にとっては繋がっていることが全てであり、それがないのは友達でないのと一緒だからです。

「痛みを手放すんだ!」

勝平の言葉には「そうじゃない」ことを証明する意味が込められていたのではないでしょうか。もう友達なのだから、繋がってなくても友達なのだと。

これは園崎法子に衝撃をもたらしたようです。そして大騒動の末に全ての人は痛みを取り戻し・・・


<総評>
勝平にとってのヴァージン「痛み」はどれほどのものだったのでしょうねw

「気持ちいい」と言った勝平の言葉は、決して日染のような変態趣味ではなく(笑)生きていることの証しを感じられる心地よさであったいうところでしょうか。だから彼が園崎法子を救ったとき、そこに見られた表情は実に人間らしい豊かな感情に満ちたものに見えたのでしょう。

そして園崎法子もまた笑顔を取り戻した。あの微笑に全てが救われた気がします。

改めて考えてみると、園崎法子とは「痛み原理主義者」となってキズナシステムを盲信してしまっている狂信者であったと言えます。現代に置き換えてみればSNS至上主義とでも言いましょうか。このアニメを語るとき常に私が言ってきたことでもあります。

まあこの物語をどう捉えるかは人それぞれ。その中で私はSNSとの共通項を見出し持論を展開して来たわけですが。

「書を捨て、町へ出よう」ではありませんが、この作品に込められたメッセージとはすなわち、「スマホを捨て、友達の家に押しかけよう!」とでも言ったものだったでしょうか(笑)

昨今ではオンラインゲームなども復旧し、わざわざ友達の家にまで行って遊ぶなんてことが少なくなっている・・・かも知れないし実は昔とそんなに変わってないかも知れない。私には子供がいないからよく分かりませんがw

人とのふれあいとはコミュニケーションの中から生まれるものであるとしたら。だけどそのコミュニケーションの取り方はひとつじゃないのです。言葉以外にも身振り手振り、表情や微妙なニュアンスなどが全て伴ってこそ真のコミュニケーションが生まれる。

そしてそれを読み取る能力。少なくとも読み取ろうとする労力、それこそが相手を理解する気持ちを生むのだと私は考えます。

それを単純に記号化してしまうのがSNSというツールであるとしたら・・・まあそれはそれで便利なものであり、相互理解の時間短縮には役立つのでビジネスとかそう言った社交的な意味では役に立つ優れものだと思っていますけどね。ただそれが全て言われたらちょっと違うんじゃない?と言いたくなる。

人と付き合うって面倒くさいもの。苦労して理解しようとすることが全て報われるとも限らない。だけど「こんだけ大変な思いをしたんだからその見返りくらいは寄こせよな!」と思うのが人情(笑)だからこそ離れられない関係になって行くもの・・・なのかも知れませんが、やっぱり面倒くせーや!w

そんなわけでキズナ実験は見事成功!ついでにアニメとしても素晴らしいものでありました。キズナシステム同様、とても実験的な試みがなされた物語。文字通り「痛み」を繋げたことで濃厚な人間ドラマが生まれたと言えましょう。

正直なところ、少年少女らを見舞う過酷な状況があまりに残酷過ぎて、見ているこちらまで「痛い痛い!」とうならずにはいられなかったことがしばし。そう言った意味でも見事、視聴者にもキズナシステムが繋がったと言えます(笑)

嫌な話だったけど良い物語だった!終わってみれば大変清々しい作品でございました。感動をありがとう!


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : キズナイーバー

2016/06/26 15:45 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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