「甲鉄城のカバネリ」第11話

【燃える命】
生き残ったのではなく、生かされた駒なのだ!

「謀反を企てた美馬を捕えた!」

そう言って金剛郭の門を開けさせた甲鉄城。しかしそれは美馬が打たせた芝居であった。目的はもちろん、彼の父であり遺恨の相手、将軍に死をもたらすためである。

なんという壮絶な!

そう思わずにはいられなかった将軍の最期でありました。美馬は将軍の刀に細工を施し、カバネに感染するように仕組んでいたのですね。いざ将軍にカバネの兆候が見えるや否や、「こやつこそ忌むべき死神である!」とばかりまくし立て、恐怖に駆られた家臣が自らの主人に手をかけるに至ると・・・

最期の留めこそ美馬が刺したものの、最初の一手を他者の手、それもなんでもないその他大勢にカテゴライズされる家臣に行わせる辺り、美馬の無慈悲さを際立たせる場面であったように思いました。

それはすなわち情勢の意志であったと言えましょう。「恐怖が殺戮に駆らせた」それはかつて将軍が美馬に対して行った仕打ちに対する、その言い訳でありました。

美馬の父、つまり将軍は例えるならばスターリンのような性格に例えられるでしょうか。叛逆を恐れるあまり「疑うべきは全て粛清」し続けた狂気の大王。それはそのまま将軍に当てはめることが出来るからです、

その恐怖は息子である美馬にまで向けられ、我を失って子供にまで手をかけようとする始末。果たして親としてそのような行為は許されるのでありましょうか。何よりそれを許せなかったのは美馬であったという顛末。

積年の恨みは実に残酷な結末に結びついたと言えましょう。ただ、絶命した将軍を足蹴にする家臣を撃ち殺した美馬の表情からは、恨みはしてもやはりそこに転がっているのは自分の父親であるという慈悲か、あるいはささやかな悔恨の意識であったように見えました。

死者の名誉を守ったとも言えますが、それはもはや取り戻せない過去の遺物。父との決別を決定的にするものでしかなかったように思いました。

さて、無名に刺され海へと転落した生駒はしかし、どっこい生き延びておりました。しかし無名の裏切り、美馬によって闇堕ちしたのを目の当たりにした彼は絶望に打ち沈み、もはや完全に戦意を失った屍と化しているような状態。これならまだカバネの方がマシだよ!と言いたくなるていたくを晒していたのですね。

そこへ現れたのが来栖でした。彼は少なからず生駒に期待を寄せており、無名の意図を突伝えることにしたようです。

致命傷にはならなかった生駒の傷。それはまだ無名に意識があったことを証明するものでした。それに気づいた生駒はようやく自分を取り戻すことに成功し、来栖に同行していたカバネの研究者(彼って美馬の手下で来栖に捕えられたんでしたっけ?その辺りの経緯は見落としてしまっていますが)から禁断の薬物?を摂取することになりました。

無名を救うため、そのためだけに命を捧げる!

自分が生かれされたこと知った生駒は、何を差し置いても無名の救出へ向かう決意を固めたようです。

さてその無名ですが、彼女はある意味で自らの悲しい運命を受け入れたように見えます。結局、自分はこうする他にない。弱き者が辿る運命からは抗えないと覚悟を決めた、そんな風に感じられました。

美馬からクロケムリになるための投薬を受けた無名は、むしろ命なき骸をいつくしむように受け入れ巨大化を進行させます。彼女が多くの死骸に見たのは蝶が群がる光景でした。

死体に群がる蝶がいるという話を昔聞いたことがあります。死臭は花の芳香に似ているとも言います。

果たしてほんとうに蝶が群がっていたのか?

それとも死を司る象徴として、蝶と言う形でもって彼女に幻影が見えていただけかは分かりませんが、一見するとグロテスクな死と言うものが無名のビジョンによって美しいものへと浄化させて行くような、そんな風にイメージを喚起させるものがあったことを此処に伝えておくことにします。

次ぎが最終回。ノイタミナ枠としては珍しく12話完結。たっぷり時間を使って最上のラストが迎えられることを期待したいと思います!


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : 甲鉄城のカバネリ

2016/06/24 22:24 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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