「たまこまーけっと」第12話 最終回
たまこ、お妃騒動の顛末は?
結論から言いますと、たまこはお妃の話を断りました。もっとも王子も始めから受ける気がなかったようですが(笑
たまこにとってうさぎ山商店街と言うのは、自分のアイデンティティそのものを示す場所であると言うことなのでしょう。つまりは、自分がいてみんながいて、それが全部一緒でうさぎ山商店街を形成していると言うこと。
たまこはうさぎ山商店街が大好きなので、そのどれかひとつでも欠けていてはいけないのです。
その象徴と言ってはなんですが、たまこがお嫁に行ってしまうと言う状況に当たって商店街がただならぬ雰囲気になったとき、見慣れた町並みがどこかいつもと違った光景に見えた瞬間がありました。
それはたまこの視点からだったのですけど、何かが失われようとしている正にその瞬間が、彼女にとっては非日常のように映ったことを示していたのではないでしょうか。
最後にデラさんがいなくなった場面もそうでした。デラさんのいることが普通であった日常が、突然の別れによって違った風に感じられてしまいました。
来るもの拒まず、去るもの追わず。たまこがう言った精神を抱いているかは分かりませんが、とりあえず「来るもの」に関しては受け入れてしまうのですよね。そしてそれがいつしか日常の光景になって行く。
言ってみれば、うさぎ山商店街にいれば何があってもそれは「日常」となるのだけれど、そこから離れたとたん、たまこにとっては全てがファンタジーに感じられてしまう。そんな意識が彼女にはあるのかも知れませんね。
しゃべる鳥がやって来たり、異国の王子がやって来ると言う非日常がありながら、作品がそれほどブレることがなかったのは、商店街においては何があっても「日常」足りえると言う確固たる土台の上に物語が成り立っていたからかなぁ?なんて思いました。
ある意味、結界のようで凄いですけど(笑
最後、デラさんが別れを告げずに旅立とうとしました。商店街での思い出を懐かしむかのように、街中を一周して回るうち、初めてたまこと出会ったお花屋さんに辿りつく。そこで花の匂いを嗅いでいる内に寝てしまって、もち蔵が発注しておいたたまこの誕生日用のプレゼントに一緒に梱包されて戻って来てしまうオチはほんとにコントでした(笑
たまこにとっては最高に素敵な誕生日の贈り物。泣けて笑える素敵なラストでございました。
<総評>
最終回の感想がほぼ総評的な内容になったかなと思うので、あとはもう多く語るものがないのですが、要するにこの作品の主人公は「うさぎ山商店街」そのものであったと言えるのではないでしょうか。
そしてそのコミュニティの顔となっていたのが「たまこ」であり、「うさぎ山商店街=たまこ」と言う図式がはっきり示されていたことで、筋を通すことが出来たと言っても過言ではない気がします。
たまこの存在感が薄くならなかったのも、あくまで商店街が主な舞台となっていたからではないかと思われます。商店街にいる限り、たまこは安泰です。
商店街で生活する住人はみなテンプレなキャラクター性を持ち(一部、妙な人もいますが)、交わされるギャグのテイストは漫才のごとくお約束。このようなベタな設定を土台にして、人情物語としての様式美を展開していった、そんな作品だったと思います。
そんな中で唯一のファンタジー要素であるデラさんが、観察者としてまた語り部として上手く機能していたことに感心を覚えました。彼はまた、キャラクターに助言を与え物語を推進させる役割も果たしていたわけですが、出すぎず引っ込みすぎない絶妙なバランスはある意味で神懸かっていたような気配さえ感じさせてくれます。
何故このように成功していたのかは上手く説明出来ませんが、作品の不思議な魅力に繋がっていたことは確かです。デラさんの人がら、いや鶏がらの為せる業であったとしておきましょう(「鶏がら」だとスープになっちゃうよ
ひそかに高度な実験作だったように思いますが、今は奇妙な感動に包まれております(いやちゃんと褒めてんすよw
おもしろかったです。おもち食べたい。
@ムハンホウちぇっそ@

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タグ : たまこまーけっと
2013/03/28 14:51 | アニメ感想 | COMMENT(0) | TRACKBACK(1)
コメント
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2013/04/03 | Old Dancer's BLOG |
たまこま―けっと 最終回「今年もまた暮れてった」
中ほどから後半にかけてのラッシュがー。 卑怯すぎるじゃないですかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ...