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「PSYCHO-PASS(サイコパス)」第15話

【硫黄降る街】
血の雨が降る・・・。


さあ、凄いことになってまいりました。填島はサイマティック・スキャン妨害ヘルメットを大量に流布させ、それをかぶった連中が無差別殺人をおっぱじめたのですね。しかしさすがにここまで来ると普通の市民たちも「これはやばい」と気付き始め、今度はヘルメットの連中に対して反撃し出したと言う・・・。

街の様子はそこらじゅうで暴動が起こっている状況で、世紀末的な光景が広がっているわけです。

ヘルメットを着用しているのは、シビュラシステムによって「善良でない」と烙印を押された落伍者たちなのですが、それがあまりに人数が多くて善良な市民と半々くらいの割合も存在する辺りがちょっとどうなの?と思うところはあるのですが、それでもこういったセンセーショナルな場面作りは非常におもしろいなと思わせるところがあります。

当然、公安局はこれらを鎮圧するために全面的に乗り出すことになるわけですが、実はこれは填島が仕掛けた陽動で、手薄になった「とある場所」へ填島らの組織が乗り込みやすくする目的があることが明らかになります。

填島は凄腕ハッカーと協力して、シビュラ・システムの本拠地を探ろうとしていました。以前からシステムの大元がどこにあるのかは謎だったわけですが、実際に作品世界においては、セキュリティの問題等などから場所は隠匿されていたみたいですね。

これで填島の目的がシビュラ・システムの破壊、あるいは停止であることが分かりました。つまりこれは現在の行政に対する完全なテロ行為と言うことですね。武装隆起した填島は、この社会に革命をもたらそうと考えていることが分かります。

ここへ来てやっとこの物語の本筋が見えて来た感があります。そう、これを見たかったのだ!

填島はシビュラ・システムによる管理社会のおかしさに気付いていた人間にひとりであります。そしてそれをなんとかして、より人間らしい社会に戻したいと考えていた。そのためにシステムを破壊する行動に出たわけですが、この後にどうやって社会を治めて行くのか、彼にそのプランがあるのかどうかが分からないところがあるのですよね。単純に破壊だけが目的なのか、更にその行く末になんらかのプランがあるのか気になるところ。

そう考えると、填島をあえて泳がせていた風に見える局長の存在が不気味ではあります。彼女がこうなるように手引きしていたことも考えられるのではないでしょうか。直接手は貸してないとしても、填島が行動しやすいように公安局の対策をミスリードさせていたとしたら。

なんてね。その辺りはまだなんとも言えませんが、システム破壊による社会の再構築が見られるのかに注目して行きたいと思います。

この作品はことある毎に文学作品の引用が入るのですよね。以前もコンラッドの「闇の奥」だとか、今回で言えばW・ギブスンとかP・K・ディックの「電気羊」が挙げられました。

「闇の奥」は「地獄の黙示録」の原作として知られますが、人間の本質を暴く小説であることから、管理社会によって奪われた人間らしさを取り戻そうとする填島の行動にリンクする部分があります。

ギブスンは大体いつもハッキングとサイバーテロの話ばかり書くので、今回のテロの様子を示している。ディックのは「ブレードランナー」の原作なので、まあ説明しなくても分かりますよね?(笑)

映画原作のものが多いなと感じるのは、監督が「踊る~」の人なのでさもありなんと言ったところですが、全体的なイメージとしてはディックの作品に感じるキッチュさが支配的な気がします。だから少し無理やりだったりこじつけだったり、だいぶ歪な部分があるのはそのせいかなと。

ディックの作品に見られる「ある程度の適当さ」は「ディックだからいいか」と容認されている部分があるのです、実は。

ディックはアイデアマンで、とても奇妙なSFを描きながらエンタメとして優れた作品を書くのです。だからSFファンからは無条件でとても愛されている作家といえます。だから何やっても大抵のことは許される(笑

だからその影響下にあると思われる、このサイコパスと言うアニメが許されるかと言ったらそれはまた別問題ですけど、ディックの線を狙っているのだったら確かに雰囲気は出ていると思います。

今回起こった暴動については填島の陽動であったことが明らかとなったわけですが、しかしながらただ作戦上のことだけではなく、現実にもありうる場面の暗喩であるとも取れますね。ロスの暴動であったり、近いところではこないだイギリスで起こった暴動であったり。中国もしかり。

このように簡単に武器を手に入れることが出来たら、もしかしたら我々も暴力を働くことになるのかも知れない。「自分は強くなったのだから、政府に文句を言う資格がある」と言う勘違いに繋がることも考えられる。

それが政府と交渉するための脅しの武器として機能すれば良いのだろうけど(実際の革命も「武装隆起」って言うくらいで、「俺らはこれだけ強いんだからお前ら言うこと聞け」ってところはあるんですよね)、しかし実際は手近なところで鬱憤を晴らすだけに終わってしまう可能性の方が高いかも知れませんね。

特に作中ではヘルメットを着用しての反抗なので、これは「車に乗ったら性格が変わる」の理論に基づき、密室の中で「オレつえー」ってなる心理があのような暴挙をもたらしていると考えられます。密室にいながら外へ出られる環境を提供されたことがタチ悪いのだ。

そんなこんな、いつになくまとまりの悪い記事になりましたが、おもしろかったり突っ込みどころ満載だったりして、色々と忙しいアニメだなと思う今日このごろです。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : PSYCHO-PASS(サイコパス)

2013/02/01 11:13 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(1)  

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2013/02/06 | ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人 |

(アニメ感想) PSYCHO-PASS サイコパス 第15話 「硫黄降る街」

投稿者・ピッコロ PSYCHO-PASS サイコパス VOL.1【Blu-ray】(2012/12/21)関智一、花澤香菜 他商品詳細を見る 槙島の計略によって、シビュラシステムにおける犯罪抑制の信用度は地に落ちた。

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