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「ココロコネクト」第4話

【二つの想い】
一度にふたつも!?フラグ立て過ぎだ、この自己犠牲ヤロウ!


伊織のトラウマが明らかとなりました。彼女の母は再婚を繰り返し、5人もの旦那を持つに至った。それは伊織も同じことで、5人のお父さんが存在すると言うのは充分に異常事態であります。

加えて2番目だかのお父さんがDVで、暴力を振るわれないよう自分を殺して、お父さん好みの娘を演じていたと言う経緯がある。しかしそれ自体がトラウマなのではなくて、5番目のお父さんが亡くなるときに、「自分らしく生きなさい」と言われたことで本当のトラウマを発見するに至ったのですね。

それは「本当の自分を忘れてしまっていた」事でした。

自分でない誰かを演じていたことで、それまでの自分からなくなってしまったと。えらく深刻なアイデンティティ喪失に、正直ちょっとドン引きしてしまった私がおりますが(笑)

しかしその問題克服に率先して名乗りを上げるのが自己犠牲野郎の太一。「とにかくオレを信じろ」とその場を収めた彼。とりあえず伊織は納得したように見えましたが、次回予告を見る限り、やはり事はそう単純ではなさそう。

何より伊織は「相手の好みをすぐ見抜いて、相手好みの自分を演じてしまう」クセが染み付いている。それがDVのお父さんから自分を守る手段として機能していたからですね。

一時は納得したように見えた伊織は、太一の言葉に乗っかって、「納得したように演じていた」だけに過ぎない恐れがあると言うこと。

実は何も解決していないことが考えられます。伊織の告白を聞いて、このときの伊織の本心を見抜けなかったことが、後にやばい事態を引き起こしそうな雰囲気があります。ってか、次回予告が明らかに危険な香り漂っているんですが・・・。

これを太一の大罪、第一としておきましょう。

そして前回、何らかの発作によって卒倒してしまった姫子はどうなったのでしょうか。

冒頭で、一先ずは単なる貧血みたいにして片付けられたのですが、間もなく姫子の問題も明かされることになります。

彼女の場合は人間不信が原因で強いストレスを引き起こしてしまっていたようなのです。どうやら何かがきっかけで人間不信になったと言うよりは、もともと疑心暗鬼の気があり、それが積み重なってより大きな「人間不信」へと発展したことが考えられます。

これもまた厄介な問題でありまして、そもそもの原因がないと来ているから、解決する要因を見出すことが出来ない。それこそ個人の資質に関わる事柄なので、全くどうしようもない事なのですね。

我らの太一さんが、その「どうしようもない事」をどうにかするためにしたことは、「どうしようもない事」をどうしようもないまま、姫子の全てを受け入れ「承認」することで彼女の資質を認めたことでした。

まあ確かにそうするしかないわな、とは思います。しかし同時に太一はここで第二の大罪を犯してしまう。

疑心暗鬼の塊である姫子に、自分の秘密を打ち明けたのです。その秘密はとっても他愛のないものだったので委細については言及はしませんが、太一の告白を受けて姫子もまた自分の秘密を打ち明けることになったのです。

秘密を打ち明けたからもう隠し事はない。と機転を利かせることによって、太一は相手に安心を与えられると考えたのでしょうが、人間にはどうしても「多くの隠し事」が出来てしまうもの。

ひとつ打ち明けたからと言って他にないとも限らないし、新たな秘密が出来ることもある。更に穿った見方をするなら、大きな秘密を隠すために小さな秘密を告白することだってあるのではないか。

要するに「秘密がない」と宣言することは、疑心暗鬼の人にとっては更なる疑心暗鬼を生む元になってしまう可能性があると言うこと。

問題は「秘密があるかないか」に掛かっているのではない。太一のしたことは、本質からずれてしまっていると言わざるを得ないわけですね。

では何が本質で、どうやったら克服される問題なのかと言えば、それはケースバイケースでなんとも断言できないところがあるんですけどね。

スターリンなどの独裁者に代表される「疑心暗鬼」に苛まれている人物とは、往々にして「自分自身」に対しても全く信用を置いていないことが多いのです。自分を信じられないから他人も信じられない。

私に言わせれば、そもそもこの理論が歪んだ性格がもたらす、ねじくれた考え方だと言わざるを得ないわけですが、自分自身の自信のなさがこのような卑下した思想を生むことは想像に難くない。

しかしながら、私自信も実感として「自分自身ほど信じられない人間はいない」と考えるところがあります。では自分に「自信が持てたら、自分を信用できるようになるのか?」と考えたとき、必ずしもそうはならないと思うのです。

よく「自分に自信を持って生きよう!」なんて発破をかける人がいますが、そもそも自信満々のヤツって嫌なヤツばっかりじゃないか!(そんな極論w

そんなヤツになりたくないから、私は自分に自信を持つことはしません。だけど自信があるなしに関わらず、それでも自分を信用して生きて行くしかないわけで、結局のところ「信用できない自分を信用して」やって行くことしかないのではないかと思うわけです。

そう考えることができれば、「所詮は他人だもんな、信用できなくて当たり前!」って達観することができる。まあ、年老いたヤツだとお笑ひください(ハッハッハw

果たして作中でどのような解決を見るかは分かりませんが、そのようなことをいかに姫子なり、伊織なりに納得させられるかが(必ずしも納得させる必要もないのだけれど)、お互いの信用と自分自身の自信回復へと繋がるキーポイントとなって行くのではないかな。

人格がシャッフルされることによって個人の問題が浮き彫りとなり、そしてグシャグシャになった人間関係が再構築される、正にそんな貴重な現場に居合わせている実感があります。

いやまさか、こんな作品になるとは思ってもみなかった。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : ココロコネクト

2012/08/01 23:13 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(4)  

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