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「人類は衰退しました」第4話

【妖精さんたちの、さぶかる episode2】
たははっ。これは辛らつな・・・。


妖精さんが編集する「同類誌」の中へと紛れ込んでしまった「わたし」たち。そこではストーリーを自分たちで創作し、エピソードのおもしろさによってランキングが変動する人気投票性になっていたと言う展開。

人気を獲得するために安易な方法に出る友人Y。

設定過多に始まり、読者の興味を引くためだけに敷かれるストーリーと無関係な「引き」。希薄な内容をインパクトだけでカバーする「見開きページ」の多用(ついでにこれはページ数も稼げる)など、出来の悪いラノベ、もしくはとっくにアイデアが枯渇したけど看板マンガなので無理やり連載を続ける某週間少年Jの人気作など、ものすごいアンチテーゼがここに示された感があります。

今回の内容、ある意味「銀魂」に通じるチャレンジングな趣きがあるぜ。もっとも銀魂は自社ブランドすら揶揄することがあるけど、むしろここで槍玉に上がるってことは、その作品にとってはステイタスとなる向きがあるけどねw

こう言った具合に、物語の中で他作品を批判・批評するような手法は、スタニスワフ・レムの「完全なる真空」に代表されるものだと思います。もっとも、レムのこの作品はあくまで「架空の書物に対する批評」となっておりますが。

パロディとは違う、クリティシズム(批判)を実践する手法は同時に自らも批判の対象に晒されるわけで、ともすれば作家生命をも危機に陥れかねない諸刃の剣と言えましょう。

これを成功させるために、原作者は少なくとも一般の読者よりも「少しだけ頭が良い」ことを示さなくてはならないと思うのです。逆に良すぎても嫌味になるだけですが。

もっとも「頭が良く」なくてもいいのかも知れない。井上陽水の名言に「人を感動させる歌をうたうには、人より3倍くらい嫌なヤツじゃないきゃだめ(ちょっとお姉っぽい口調で)」と言うのがあります。

私の大好きな言葉でもあるのですが、人より少し秀でた部分。もしくは人より極端な部分がないと、多くの人を納得させる説得力が出ないと思うのです。そう言った意味では、田中ロミオは成功している部類だと思います。

すいません。なんかいろいろ脱線してしまいましたが、クリティシズムを上手くやっている作家と言うのは、漫画であったり小説であったり、やはりどうしようもなく物語や作品が好きなのだと思います。同じ世界にいるからこそ、批判が嫌味なく機能するのではないでしょうか。

愛のある批判なら歓迎すべきものとなるのではないかなぁ。まあ、結局は作家の技量に掛かっているけどねw

ある意味、下世話なのだけれど、こう言ったネタはやはりおもしろいなぁ。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : 人類は衰退しました

2012/07/27 23:26 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(2)  

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2012/07/28 | のらりんすけっち |

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