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「LUPIN the Third~峰不二子という女~」第13話 最終回

【峰不二子という女 後篇】
結論:峰不二子は生まれたときから峰不二子だったのだ。


全くこの物語は!ラスト1話で痛恨のカウンターパンチを喰らわされた気分だ。

これまで企てられてきた陰謀の数々がくまなく暴露された。少し話をまとめようか。

グラウコス製薬では記憶改ざんの人体実験が行われており、その被験者として数多くの少女が実験台にされた。アルメイダ伯爵は彼女らに苦痛を与え、好ましい反応が出た少女の記憶をプールしておいて、それを実験主任(でいいのだろうか)であったフリッツ・カイザー博士の娘に移植した。

要するにアルメイダは、少女に虐待を施したときなどに自分好みの反応をして見せる理想的な人形を求めたのだ。

フランケンシュタインは理想の身体を求めて様々な人間の肉体を繋ぎ合わせて作られた人造人間である。同様に記憶を繋ぎ合わせて「新しい性質の人間」を作り上げようとしたのが、アルメイダだったと言うことになるか。

しかし実験が繰り返された末、被験者である少女は意識障害を引き起こし寝たきりになってしまった。ほどなくしてアルメイダは死に、少女は解放されたかと思いきや、彼女自身の口から実験の続行が申し渡されることになる。

少女の名はアイシャ。そして実験続行の意思を引き継いだのは、カイザー博士の妻であり、アイシャの母その人であった。

そこへ峰不二子が世話係りのメイドとしてやって来たのだが、彼女は実験台にされ、アイシャに埋め込まれた記憶を上書きされてしまったと。そしてアイシャは峰不二子を解き放ち、しかしずっと観察し続けてその行動を追っていた。

それは寝たきりの自分が果たせなかった自由を体験するため。いわば峰不二子はアイシャの目となり身体となって外世界を羽ばたき、そんな「峰不二子を体感」することこそが、アイシャにとっての最高の娯楽になっていたと言うことになるのだと思う。

さあ、それでは峰不二子の過去とは一体なんだったのかが問題となる。

結局、峰不二子が見ていたのはアイシャの記憶であった。それもアルメイダによって創造された偽物の記憶でしかないが・・・。

そこで第一話目に戻ることになるのだが、この時点ではまだ峰不二子は記憶を改ざんされていない。教団に潜入した際にグラウコス製薬のことを知り、後にその本拠地へ乗り込んだところで捕らえられ、アイシャの実験台にされたと言うのが真相。

つまりだ。峰不二子は記憶を失う前から、怪盗であり娼婦である峰不二子そのものだったと言うこと。記憶を失って、アイシャの傀儡となってからの峰不二子の行動は、以前となんら変わるものではなかったのだ!

それでは、我々が散々見させられてきたあの峰不二子の幼少期の映像は一体なんだったのかと言うことになる。

そう。あれこそはアイシャ。峰不二子自身の記憶ではなかったのだ!

必ずしもアイシャが峰不二子に似ていたと言うことではなく、記憶が移植されたことによって、峰不二子が自分の幼少期の姿でアイシャの記憶を再生していたのかも知れない。整合性を持たせるために、自分の中で無意識に修正が加えられたりするのはよくあることだから。

映像による完全なミスリード。これはしてやられた。

ここから導き出されるのは、第二話以降の峰不二子が、記憶改ざんされた峰不二子だったということ。このミステリー、完全に騙された・・・。

従って、峰不二子とはどう言う女だったのかと言う解答は全く得られず。峰不二子とは、結局「峰不二子」でしかなかったと言う結末。

なんたる茶番!

これが小説なら本を床に叩きつけているし、ブルーレイならディスクを窓からフリスビーするところだった。幸いにして、ハードディスク録画なのでそれらは出来ず。シーツの端っこを加えて臍を噛むことでしか、為すべき悔恨を示すことは出来ない。

実に人を喰ったストーリーに仕立て上げてくれたものだ。しかしこれもルパンらしいと言えばルパンらしい。いや峰不二子らしいと言おうか。

「これまで視聴して来た、オレの貴重な時間を返せ!この泥棒猫!」

まさしく時間泥棒。失った「時」はもう決して戻らない。

峰不二子と言う女に、まるで心を盗まれてしまったような気分だ。いろんな意味で。

しかしラストでは私たちがよく知る「彼」に戻って、「フ~ジコちゃ~ん!」と飛びつくルパンの姿に癒され、全てを許してしまう自分がいた・・・。


<総評>
いやはや、まったく。これは1本取られましたね。

真相が分かった瞬間「なにぃ!?」と、エクソシストよろしく首が180度回転して、テレビの画面をギラリ!と睨みそうになりました。

こう言ったくだらない結末の小説をいくつか読んだことはありますが、これほど足元をすくわれたのは初めて。もっともこちらはアニメですけど。

ここまで全く予想させなかったのはすごい。もっとも私が入れ込み過ぎて盲目になっていたところを、見事にその裏をかかれたと言ったところなのでしょうけど。

ここまでキレイに騙されると爽快ですね。個人的には大好きです。

この結末、私は有りだと思います。

始めから峰不二子の過去なんて明かす気なんてなかったのかも知れないし、もっと悪い場合には、そもそも峰不二子の過去なんてものが設定されていない・・・なんてことも考えられる。

この様子だと、きっと金輪際、峰不二子の過去が語られるなんてことはなさそうですね。ある意味で安心です(何が

峰不二子は峰不二子と言う登録商標。唯一ユニークな存在で、ただもうそれはひとつのジャンルなのだ。なんかそんな考えに至ってしまうな。

独特な映像表現と相俟ってこれまでないようなルパン・シリーズでありました。それは魔術的でなんともいかがわしい雰囲気さえ漂っていたように感じます。

しかしながら、最終的には実にルパンらしい物語になっていたと言う点で、ルパンと言う作品が持つ血の濃さと言いましょうか、強烈に放たれるオリジナリティを改めて確認したと言った感慨深さも覚えるものでありました。

「有意義」だったかと聞かれると分からないのだけれど、同じ話でも何度見ても楽しいと感じるのは、それこそ最高のエンターテインメントなのではないかなあと思う次第であります。

「意味性」とかそんなのとっく超越している気がするな。なのであんまり批評的な目では見てません。

憎まれっ子世にはばかる。

ルパンこそは愛すべき憎まれっ子。泥棒だけに手を変え品を変え、いつの時代にも現れて、その度に人心を奪ってゆくことでしょう。

私も今回何か大切なものを奪われた気がします。

盗られたもんはしょうがない。返してくれとは言わないさ。

ただひとこと
「持ってけドロボー!」
とだけ叫んで、笑って見送ってやるさ!

やっぱりルパンは面白いなぁ。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : LUPINtheThird~峰不二子という女~

2012/06/29 01:20 | アニメ感想COMMENT(0)TRACKBACK(7)  

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