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「Fate/Zero-2ndシーズン」第23話 第24話

【最果ての海】【最後の令呪】
夢とはいつか覚めるもの。夢とは自らのいまわしき部分を映し出すもの。


遂にこの2人がぶつかり合いました。ライダーとアーチャー。共に真の王たるに値する猛者である故、その決戦は実に絢爛、壮麗たるもので、ここに不平不満を差し挟む余地はありません。

今生における最後の闘いとなることを察したライダーが、ウェイバーに「家臣になれ」と命じた言葉が印象的でした。

最初ウェイバーはライダーのマスターでありました。マスターの資格を放棄した後、ウェイバーはライダーの「友」となった。そして最後、ウェイバーはライダーの家臣になることを承諾した。

この主従関係の逆転に至るまでの経緯が大変興味深かったですね。ライダーの言い分は、「家臣となって、主(あるじ)の勇姿を後世まで伝える語り部となれ」と言うものでした。

これが意味するものは、決して2人の力関係が逆転したからではなく、ライダーはあえてウェイバーの主となることによって家臣に命じ、自らの夢を後世に託したものだと思える。しかしそれを任せられるのは、「夢を同じにした者」のみである。そしてその資格があるのはウェイバーしかいない。

本当の意味で全幅の信頼を寄せた相手にライダーは夢を託し、そして「夢は決して潰えないものである」ことをアーチャーに示したと言えないでしょうか。

「夢は覚めるものだ」と説いたのはアーチャー。さて彼はライダーの真意を悟っていたのか。知らなかったとしたら、「してやったり」と、いまわの際でライダーはほくそえんでいたかも知れない。

まあ、個人的にはそんな想像をしてみます(笑)

さて、厄介なのはバーサーカーと対峙したセイバー。なんとここへ来てバーサーカーの正体が明らかとなり、それはセイバーのかつての盟友アンスロットだっと言う事実。

このアンスロットが誰なのか?過去のエピソードを見落としたのか(それともstay/nightで語られた出来事か)、私はよく分かりませんでしたが、まあ戦い難い相手であることに変わりはない。

とは言え、そこは聖杯を賭けた勝負であります。マスターの命に忠実なセイバーが、忠義を示して勝利することになりました。

その影で、まるでぜんまいが伸びきったかのように事切れる雁夜の姿が哀れでありました。とっくにその命は風前のともし火と言った状態で、彼が死ぬのは時間の問題ではあったのですがね。

マスター同士の決闘も進行しており、事実上のラスボス対決と言ってよい、切嗣と綺礼が文字通りの死闘を繰り広げております。

ところがこの戦いなのですが、途中でケチがついてなんとも拍子抜けな結末を迎えてしまいました。

以前に示唆されていたように、アイリスが本当に「聖杯の器」となってまった。その杯からはとめどなく血が溢れ、やがて床が陥落。その下で戦っていた2人の上に、瓦礫ごと降りかかって来たのですね。

そしてこの「血」に当てられた切嗣が幻影を見ることになる。

「願い」を叶えると言う聖杯の本当の意味。そして切嗣自身が抱いている「夢」の実態。そこには無情なまでの残酷が支配していたと言う事実。

どうやら聖杯は、願いを唱える人物の想像より大きな願いは叶えられないことが分かりました。つまり、例えば「大統領になったことのない人が大統領になれるわけがない」と言った論理と言えば分かり易いでしょうか。

または「自分の知らない土地へはテレポーテーションできない」と言った、ラノベなどでよくある設定にも当てはまるか。

切嗣は「世界を救う」と言うことを目的としているわけですが、彼はその大義を実現するために、これまで多くの殺人を犯して来たわけです。

それは例え「より良い人間を助けるため」であったとしても、結局は人を殺めることに変わりはない。

そうなると切嗣は「人を殺すことでしか人を救えない」ことになる。彼はずっとそうやって世界平和を実現しようとして来た。そしてその方法でしか切嗣は世界を救う方法を知らないのです。

となると、どう言うことになるのか。

聖杯に願いを唱えたなら、聖杯はその願いを叶えるために人を殺し続けることになる。

なんと言う事実!聖杯こそが史上最悪の兵器になってしまうと言うジレンマ・・・。

これではまるで悪意そのものではないかと思ってしまいますが、しかし聖杯とはその人の夢を写すものでもあるとすると、そこに見えて来るのは自らの限界ではないでしょうか。果たして切嗣はそこで自分自身に絶望してしまうことになるのか。

夢とは自己愛の究極であると言っても良いでしょう。100年の恋も冷めると言うか、ここで突きつけられるのは自己嫌悪どころか、自分があまりに虚無であると言う真実のみ。

幻想を打ち砕くには充分にして決定的。ここから先へ、まだ別の手段があるのではないかと考えを切り替えるにはあまりに酷過ぎる。

しかしこの試練に打ち勝った(ように見えた)切嗣は、聖杯を破壊するようセイバーに命じました。最後の令呪を持って・・・。

果たして本当に乗り切ったのだろうか、切嗣は?

どうにもそんな気がしないのですよね。かと言ってヤケクソになっているのとも違う気がする。

今の切嗣は何か悟ったようにも見えるのです。何が一番いけないのか。

この世にはびこる全ての「悪(アンリマユ)」を、聖杯の中に見出してしまったような。

それがなんなのか。

聖杯とは夢が本当の意味で潰える終着点か、それとも希望の墓場なのか。

その答え合わせの結果は如何に。


@ムハンホウちぇっそ@
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タグ : Fate/Zero

2012/06/18 00:22 | アニメ感想COMMENT(2)TRACKBACK(5)  

コメント

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コメント失礼します。
アニメでは説明不足なので、原作未読だと基本みんな誤解することなんですが、聖杯が切嗣に対して「君の思いつかない方法で解決なんて出来るわけないじゃないか(笑)」って言ってたのは建前みたいなもので、実際はあの聖杯は第三次聖杯戦争のときにアインツベルンがやった裏技のせいで「この世全ての悪《アンリ・マユ》」という呪いに汚染されているため、悪意でもって人の願いを叶える狂った願望機になってしまってたのです。つまり「猿の手」と同類なんです、あれは。
なので、たとえばウェイバーの初期の願いである「僕を認めなかった時計台のやつらを見返したい」という願いを聖杯で叶える場合、ウェイバーを認めなかったやつ全員皆殺しな形で叶えかねない代物です。つまり、切嗣だからああいう叶え方になりまーすってわけでもないのです。なので、聖杯こそが史上最悪の兵器という指摘は正解ですよ。

No:379 2012/06/18 20:19 | EKAWARI #HVtJ0W5Q URL [ 編集 ]

いらっしゃいませ!

>EKAWARIさま

ご教授ありがとうございます。
なるほど。それは確かに説明されないと分かりませんね。
>「この世全ての悪《アンリ・マユ》」
これは聖杯そのものを指すのか、それとも何かの比喩なのと思ってました。
もちろんそう言ったダブルミーニングも込められているのかも知れませんが、そもそも呪詛だったのですねw
それにしてもタチの悪い呪いですな。

セイバーとアンスロットとの因縁もそうですが、かなり端折られているようなところが見受けられて残念ですが
それでもかなり面白いので、最終回でどのような結末を迎えるのが非常に楽しみです!

No:380 2012/06/18 23:51 | ちぇっそ #- URL [ 編集 ]

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